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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第47章 挟まれる



すぐ隣で眠っているお前が、無意識に俺へ寄り添っている。

その事実が、遅れて胸へ届く。

(…………)

俺はしばらく何も考えなかった。

いや。正確には、何かを考えないようにしていた。

(……ただの寝相だ)

そうだ。意味などない。
お前は眠っていて、眠っているから、たまたま足がこちらへ来ただけだ。

そういうことだ。
俺が気にする必要はない。

そう思った直後。
お前の足が、ほんの少し動いた。

俺の足を逃がさないようにするように。

また、ぎゅ、と力が加わる。

「…………」

 今度こそ、完全に目が覚めた。

(…………待て)

さっきより、はっきり分かる。

温度。重み。柔らかな圧迫。
それが全て俺の足へ伝わっている。

(…………)

脹相は無言で天井を見つめる。

(……寝ているんだよな)

横を見るがお前は眠ったままだ。

何も知らない顔をしている。

呼吸も穏やか。

完全に熟睡している。

(……なら、いい)

そう思う、だが。

(……いや、よくない)

俺の足が動かせない。

そして何より、意識してしまう。
足に伝わってくる温かさを。

お前が無意識に寄り添っていることを。

それを理解した瞬間、胸の奥が妙に落ち着かなくなる。
(……何故だ)

別に、嫌なわけではない。

むしろ。

(…………嬉しい)

その感情を認めた途端、余計に困った。

こんなことで喜んでいる自分が。

(……俺は何をしている)

ただ寝相が悪いだけだ。

それだけなのに。足を挟まれているというだけで、妙に意識してしまう。

俺のすぐ隣でお前が安心したように眠っていて、
そのまま無意識に俺へ寄ってきている。

(……俺を抱き枕か何かだと思っているのか)

少しだけ可笑しくなる。

だが悪い気はしない。
むしろ、かなり嬉しい。

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