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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第41章 朝のシャワー






「まだ気にしてる?」

夜、私がそう聞くと、脹相は少しだけ視線を逸らした。

「……している」

「やっぱり」

「……お前は?」

「私も」

そう答えると、脹相がこちらを見る。

「……そうか」

「ねえ」

私は少しだけ身体を近づける。

「じゃあ、もうちょっと近くにいたら慣れるかな?」

「……」

脹相が固まる。

肩が触れそうな距離。

「……近い」

「嫌?」

「……嫌ではない」

その答えに、今度は私のほうが少し緊張する。

それでも離れずに、脹相の顔を覗き込む。

「ねえ、脹相」

「なんだ?」

「……あの…さ、どうだった?」

「……どうとは…そのことか?」

「うん」

脹相はしばらく黙った。

「……一瞬だったから、よく分からない」

そう言いながらも、耳は赤い。

私は少しだけ笑う。

「本当に?」

「……」

「じゃあ」

少しだけ迷ってから、私は小さな声で続ける。

「……見てみたいと思う?」

「……」

脹相が息を止めた。

今度は、すぐには答えなかった。

「……それは」

言葉を探すように視線を伏せる。

「……いつか…とは思う」

小さな声だった。

「でも……」

「でも?」

「お前が嫌なら、絶対に見ない」

その言葉を聞いて、胸がきゅっとなる。

「……そっか」

私は少し照れながら笑う。

「じゃあ……脹相の心の準備ができたらね」

「……!」

脹相がこちらを見る。

その顔があまりにも驚いていて、私は思わず笑ってしまう。

「な、なんだ?」

「だって、脹相がすごく驚いた顔するから」

「……いや」

脹相は少し俯いて、照れたように息を吐く。

「……嬉しいんだ」

その言葉に、今度は私のほうが恥ずかしくなる。

「……そっか」

「……ああ」

しばらく、二人とも黙っていた。

けれど今度は、どちらも離れない。

肩が触れたまま、隣に座っている。

さっきまでのぎこちなさが、少しだけほどけていく。

「……心の準備ができたら、か」

脹相が小さく呟く。

「うん」

「……分かった」

そう答えた脹相の横顔は、まだ少し赤かった。
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