第40章 生理
「……おいしい」
「よかった」
「脹相も食べる?」
「俺は後でいい。今はお前が食べろ」
「……ありがとう」
スープを食べ終えると、脹相が水と痛み止めを差し出してくれた。
「これを飲んでおけ」
「うん」
薬を飲み終えると、私は布団に入る。
「これで少ししたら楽になるだろう」
「うん、でも」
私はお腹を押さえる。
「まだ結構痛い……」
「薬が効くまでは時間がかかるからな」
脹相がベッドの端に座り、私の髪を撫でる。
「辛いか?」
「うん……」
「何か他にしてほしいことはあるか?」
少し迷ってから、私は脹相を見る。
「……その。後ろから温めてほしい」
「分かった」
脹相が布団の中へ入ってくる。
「こうでいいか?」
「……うん」
私は少し身体をずらす。
すぐに背中へ脹相の胸が触れた。
「……っ」
思っていたより近い。
お風呂で温まった身体に、さらに脹相の体温が重なる。
そのまま腕がゆっくりと私を包んだ。
「苦しくはないか?」
「……うん」
大きな手がお腹へ回ってくる。
服越しに、痛む場所を包むように優しく温めてくれる。
「……あったかい」
「まだ痛むか?」
「うん……でも、さっきよりいい」
「腰も重いんだったな」
「うん……そこも温めてほしい」
「分かった」
背中から伝わる体温と、お腹を包む手。
痛みが強いはずなのに、脹相に包まれていると少しずつ身体の力が抜けていく。
「……脹相」
「ん?」
「近いね」
「抱きしめているからな」
「……そうだけど」
いつも一緒にいる恋人なのに、こうして意識すると急に恥ずかしくなる。
「……緊張しているのか?」
「少し……」
「嫌なら離れるが…」
「嫌じゃない」
私は脹相の腕にそっと手を重ねる。
「……もう少し、このままがいい」
すると、脹相の腕がほんの少しだけ強くなる。
「分かった。好きなだけこうしていろ」
「……うん」
目を閉じる。
背中に感じる体温。
お腹を包む大きな手。
全部が近くて、安心するのに、胸はずっと高鳴っていた。
しばらくすると、少しずつ痛みが和らいできた。