第39章 オムライス弁当
朝、私はキッチンでお弁当を詰めながら首を傾げた。
「脹相、お昼これね」
「ありがとう」
今日のお弁当は、脹相の好きなものを詰めた。
そして最後に
「……よし」
ケチャップで、オムライスの上に小さくハートを描く。
「……かわいい」
自分で作っておきながら、少し恥ずかしくなって蓋を閉めた。
「脹相、忘れないでね」
「ああ。大切に食べる」
「うん」
そんな朝だった。
ところが昼休み。
「……ん?」
五条が自分の机の上に置かれた弁当を見て、首を傾げた。
「これ誰の?」
「え?」
私が振り返る。
「それ……」
「ん?」
五条が蓋を開けると、中にはオムライス。
そして、その表面には赤いハート。
「…………」
「…………」
数秒の沈黙。
五条がゆっくり私を見る。
「へぇ~~~~?」
「ち、違っ……!」
「何が?」
「それ、脹相のお弁当!」
「うん」
五条は楽しそうに笑う。
「知ってるよ?」
「なんで持ってるの!?」
「脹相が置いてった」
「えっ」
「僕の机に」
「なんで!?」
「知らない」
五条はケチャップのハートを眺める。
「……ふーん」
「五条さん」
「ん?」
「それ、見ないで」
「なんで?」
「恥ずかしいから!」
「いやいや」
五条はニヤニヤしている。
「保護者としては、ちょっと確認しないとね」
「何を!?」
「ちゃんと仲良くしているかどうか」
「……!」
「ハートだもんねぇ」
「もう!」
「オムライスだし」
「五条先生!」
「しかも、これ脹相の好きなやつでしょ?」
「……」
「いやぁ、青春だねぇ」
「からかわないで!」
そこへ脹相がやって来た。