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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第38章 逃げる



「……お前が嫌だと言わない限り」

耳元で、脹相が静かに言う。

「俺はそばにいる」

「うん」

「触れたくなったら…触れてもいいのか?」

「もちろん」

「それは嬉しいな」

「ふふ」

脹相が小さく笑った。

「それなら……安心した」

私は彼の胸元に頬を寄せる。

しばらくすると、脹相の手が私の髪をゆっくり撫で始めた。

眠りへ誘うような、優しい触れ方。

「……おやすみ」

「おやすみ、脹相」

目を閉じると、額に柔らかな感触が落ちた。
脹相からの、短いキス。

「……これも、いいんだな」

「うん……」

眠くなって、声が小さくなる。

「いつでも……」

「……ああ」

脹相の腕が、もう一度優しく締まる。

以前なら、私を大切にしたいからこそ離れていた。
けれど今夜からは違う。

我慢するために離れるのではなく
大切にするために、そばにいる。
そんなふうに、脹相は私の隣にいることを選んでくれた。
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