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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第37章 媚薬



任務で訪れた山間の集落には、珍しい特産物があるらしい。

依頼主の家で一通り話を聞き終えたところで、その孫娘が脹相の前に小さな杯を差し出した。

「これ、うちの集落で作ってる飲み物なんです。よかったらどうぞ」

「……俺に?」

「はい」

どこか嬉しそうな彼女に促され、脹相は杯を受け取る。

「……独特な味だな」

「でしょう?」

その様子を見ていた私は、杯を覗き込んだ。

「そんなに変な味なの?」

「飲んでみるか?」

「うん。一口だけ」

脹相から杯を受け取り、そのまま口をつける。

――その直後だった。

「……?」

身体が、妙に熱い。

頬に手を当てると、明らかに熱を持っている。

「おい?」

脹相が心配そうに顔を覗き込んだ。

「……なんか、暑い」

「暑い?」

「うん……それと……」

なぜだろう。

さっきから、脹相の顔がやけに気になる。

もっと近くに行きたい。
隣にいたい。
手を繋ぎたい。

いつもなら自然に我慢できることなのに、
今はそれが我慢できない。

「……脹相」

「なんだ」

「ちょっと、こっち来て」

素直に近づいてきた脹相を見て、また頬が熱くなる。

その様子を見た孫娘が、突然顔を青くした。

「……あ」

「どうした?」

「ご、ごめんなさい!」

勢いよく頭を下げる。

「それ……特産物じゃなくて、その……」

脹相の目が細くなる。

「……何を飲ませた」

「………媚薬です……」

「…………」

「本当にごめんなさい!」

孫娘は泣きそうな顔で頭を下げ続けた。

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