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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第35章 帰ってきたら



「……」

スマホを握る手に力が入る。

電話をかけようか。
けれど、何度も鳴らして迷惑だったら。

そう考えてしまう。
自分でも呆れるほど、弱気になっていた。

「……俺は」

ぽつりと呟く。

「……何をしているんだ」

一日離れるだけで、こんなにも不安になる。

朝からあれほど帰りたがっていたのも、彼女の顔を見たかったからだ。

帰れば抱きしめてもらえると思っていた。
なのに誰もいない。

脹相は俯いた。
静かな家が、今はひどく広く感じる。

そのとき玄関から、鍵の回る音がした。

「ただいまー」

聞き慣れた声。

「……!」

脹相が勢いよく立ち上がり、玄関へ向かう。
そこには、両手いっぱいに買い物袋を抱えた彼女が立っていた。

「あれ?」

 目が合う。

「脹相?」

次の瞬間、買い物袋を床に置くより早く、私は抱きしめられていた。

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