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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第34章 脹相の朝


「ん……」

「……」

脹相は一瞬で緊張する。

(起きる)

彼女が薄く目を開ける。

「……ちょうそう……?」

「……ああ」

声が少し低くなる。

平静を装っているが、内心は全く平静ではない。

(呼ばれた)

(今、俺の名前を呼んだ)

たったそれだけで、また嬉しくなる。

彼女はまだ眠そうなまま、彼の胸元に顔を埋める。

「……まだ眠い……」

「そうか」

(可愛い)

「……もう少し、いい……?」

「……ああ」

即答。

むしろそれ以外の答えなど存在しない。
背中をゆっくり撫でる。

(……好きだ)

今度は声に出さない。

(大好きだ)

言葉にしたら、きっと足りない。

だから胸の奥に全部しまっておく。

彼女が再び眠りにつくのを見届けて、脹相も目を閉じる。

腕の中の温もりを確かめながら、最後に一つだけ思う。

(……俺は、きっと毎朝こうなるんだろうな)

寝顔を見るたびに。

抱きしめるたびに。

名前を呼ばれるたびに。

何度でも。

(……お前を好きになったことを、幸せだと思うんだろう)

そして脹相は、彼女を抱いたまま、また静かに眠りについた。
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