• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第34章 脹相の朝


と出会って、彼女を好きになって、こうして一緒に暮らして。

以前の自分なら、こんな朝が来ることなど想像すらしなかった。

(俺が……誰かと一緒に朝を迎えている)

しかも、その「誰か」がなのだ。

(……幸せだ)

その事実に気づいた瞬間、胸が締め付けられる。

嬉しい。けれど、それと同じくらい怖い。

こんなに大切なものが、自分の手の届くところにあることが。

(大切にしたい)

(絶対に傷つけたくない)

(ずっと、このままでいてほしい)

そんな考えが次々と浮かんでくる。

「……」

脹相はそっと手を伸ばす。
しかし髪に触れる直前で止める。

(……起こすかもしれない)

指先が宙に浮いたまま、考えていた。

(いや、起こしたくない)

けれど撫でたい。

(少しくらいなら……)

また手を伸ばす。

そして、髪を一筋だけ、そっと撫でる。

「……」

(柔らかい)

それだけで妙に嬉しくなる自分がいる。

(……俺は重症だな)

そう思う。

だが、治らなくたって構わない。

むしろ

(もっと好きになってしまってもいい)

そう思ってしまう。

/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp