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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第33章 ガチャガチャ



数日後。脹相は一人で買い物に出ていた。

そしてその帰り道。

「……」

見覚えのあるガチャガチャが目に入った。
足を止め確認してみると――

あのクマだった。

「……まだあるのか?」

脹相は財布を取り出した。

約束したから。
そう思いながら、ハンドルを回す。

カラカラ。ころん。

「……」

一発目。
カプセルの中には、黒と紫のクマ。

「……出たな」

取り出して、じっと見る。

「……」

やはり目つきが悪い。

「本当に目つきが悪いな」

クマを少し傾ける。

「これがいいのか?」

そう呟いてから、ふと考える。

あの日のピンクと白のクマ。
あれの方が、ずっとお前には似合っていた。

「……前の方が似合うと思うが」

そう言いながらも、脹相はクマを大切に袋へ入れた。

「ただいま」

「おかえり!」

私が玄関まで迎えに行くと、脹相は持っていた袋を差し出した。

「ほら」

「……?」

中を覗いてみると

「えっ!」

私の顔がぱっと明るくなる。

「これ!」

「欲しかったやつ!」

「ああ」

「ありがとう!」

私は黒と紫のクマを取り出して、嬉しそうに眺める。

「かわいい……!」

「そうか?」

「うん! すごく欲しかったの!」

あまりにも嬉しそうにしている私を見て、脹相も満足そうに頷く。

「……なら、よかった」

「ねえ、脹相」

「なんだ?」

「これね、どうしても欲しかった理由があるの」

「……?」

 私はクマを胸の前に抱える。

「脹相に似てるから」

「…………」

脹相が止まった。

「……俺に?」

「うん」

私はクマを見る。

「目とか」

「……」

「ちょっと不機嫌そうなところとか」

「……」

「あと、雰囲気?」

「……そうか」

脹相はクマと自分を見比べる。

「俺は……こんなに目つきが悪いのか?」

「ふふっ」

「笑うな」

「ごめん」

けれど、嬉しくて笑ってしまう。

そんな私を見て、脹相は少しだけ照れたように目を逸らした。

 
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