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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第33章 ガチャガチャ


休日の午後。
私と脹相は、街を歩いていた。

「……ないなぁ」

「何を探しているんだ?」

さっきから店先を覗き込んでは、残念そうな顔をする私を見て、脹相が尋ねる。

「ガチャガチャ」

「ガチャガチャ?」

「うん。欲しいのがあるの」

「どれだ?」

 スマホを取り出して、写真を見せる。

「これ……」

画面に映っているのは、黒と紫のクマ。
吊り上がった目に、不機嫌そうな口元。
とにかく目つきが悪い。

脹相は写真をじっと見つめた。

「……」

「どう?」

「目つきが悪いな」

「そこがいいの」

「そうなのか……」

脹相は少し不思議そうにしながらも、それ以上は何も言わなかった。

しばらく歩いたところで、私は突然足を止めた。

「あっ!」

「どうした?」

「あった!」

そこにあったのは、探していたガチャガチャ。

「……最後の一個しかない」

「最後か」

「うん……出たらいいんだけど…」

私は少し緊張しながら、お金を入れてハンドルを回した。

カラカラカラ、ころん。

「……!」

カプセルを開ける。
けれど、出てきたのは欲しかったクマではなかった。

「ピンク……」

手のひらに乗っているのは、ピンクと白のクマ。
ふんわりした色合いで、柔らかく微笑んでいる。

「……かわいい」

少し残念ではあるものの、私はそのクマを眺める。
その横で、脹相もクマを見つめた。

「……」

優しい顔に柔らかな色。
どこか安心するような雰囲気。

脹相は、ふと思った。
お前に似ている。

いつも自分の隣で笑っている顔と、どことなく重なる。
けれど、わざわざ口にするのは照れくさくて。

「……まあ、これはこれでいいんじゃないか」

「うん。可愛いから大事にする」

嬉しそうにクマを眺める私を見て、脹相は小さく頷いた。

「もし俺が見つけたら、回しておいてやる」

「本当?」

「ああ」

「じゃあ、お願い」

私が笑うと、脹相も少しだけ目を細めた。

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