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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第31章 欲求不満なのか



その夜も脹相は夢を見た。
また、同じ夢だった。

彼女が自分のすぐそばにいる。
距離が近い。

「……脹相」

名前を呼ばれる。

それだけなのに、妙に心臓が騒ぐ。

夢の中の彼女は笑っていて。
いつもよりずっと距離が近くて。

脹相はどうしていいのか分からないまま――

目を覚ました。

「…………」

朝。

天井を見上げる。
もう何度目なのか分からない。

隣を見ると、彼女はまだ眠っている。
脹相はどうしたらいいのかと、深く息を吐いた。

その日の朝。

「脹相」

「何だ?」

「最近、ほんとに眠れてないよね」

「……そうだな」

「やっぱり夢?」

「…………」

「どんな夢なの?」

「…………」

脹相が固まる。
彼女は純粋に心配しているだけだった。

「毎回同じなの?」

「……似ている」

「ふーん」

彼女は少し考える。

「それってさ」

「?」

「夢の通りにしたいってこと?」

「…………」

脹相の動きが止まる。

「……いや」

「違う?」

「そういうことでは……」

「でも何日も見るんでしょ?」

「…………」

「じゃあさ」

彼女は明るく笑った。

「その通りに一回してみたらいいんじゃない?」

「…………」

完全に固まった。

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