第31章 欲求不満なのか
その夢は一度だけでは終わらなかった。
二日目。
三日目。
そして、四日目。
「…………」
脹相は目を覚ます。
隣には、いつものように彼女が眠っている。
「…………」
しばらく天井を見る。
「……またか」
夢の内容は、毎回少しずつ違う。
だが。
共通していることが一つある。
彼女が自分の上にいる。
「…………」
脹相は額を押さえた。
最初のうちは、ただの夢だと思っていた。
しかし。
何日も続くとなるとさすがに気になる。
彼女を見ると無防備に眠っている。
何も知らない。
「…………」
脹相は視線を逸らした。
これはもしかして。
「……欲求不満なのか?」
ぽつりと呟くが当然、答えはない。
隣では彼女がすやすや眠っている。
「…………」
脹相は真剣に考える。
自分は別に、彼女に不満があるわけではない。
むしろ逆だ。一緒にいるだけで十分満たされている。
手を繋ぎ、抱きしめる。他愛のない話をする。
それだけでも幸せだ。
それなのに夢の中では、毎晩のように距離が近い。
「…………」
脹相は眉間に皺を寄せる。
「……俺は何を求めているんだ」
分からない。
分からないからこそ、余計に悩む。