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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第3章 誰にも見せたくない


「見せる必要がないからだ」

「誰に?」

「誰にも」

即答だった。

「……お前の顔を見て、可愛いと思うのは俺だけでいい」

心臓が、一拍遅れて大きく鳴った。

「……それ、嫉妬?」

「違う」

「じゃあ何?」

「……知らん」

珍しく歯切れが悪い。けれど手はどかない。

むしろ、逃がさないようにするみたいに頬を包み直される。

「ただ」

低い声が落ちてくる。

「他の奴が見ているなら、俺は見せたくないと思った」

「……脹相」

「お前は何も知らなくていい」

そう言って、ようやく手が少しだけ離れる。

けれど視界が戻るより先に、今度はその大きな手が頭を引き寄せた。

胸元に頬が当たる。

「……俺のところにいればいい」

「……それ、ずるい」

「何がだ」

「そんなこと言われたら、離れられなくなる」

「それでいい」

迷いのない声だった。

そして私は、もう一度だけ彼の胸元で小さく笑った。
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