第30章 雰囲気変わった
「……脹相と、何かあった?」
「何かって?」
「……夜に」
「?」
「二人きりで」
「うん……?」
「……そういうこと」
「そういうことって何!?」
私が真っ赤になると、野薔薇ちゃんは確信したように真希ちゃんを見る。
「ほら!」
「いや、これは単純に意味が分かってないだけだろ」
「……あ」
二人とも少し黙る。
「じゃあ聞き方を変えるわ」
野薔薇ちゃんが腕を組む。
「脹相と……一線、越えた?」
「うえっ!?」
声が裏返った。
「越えてないよ!」
「即答!」
「そこまで驚くなら怪しい!」
「いやいやいや!」
真希ちゃんまで笑いを堪えている。
「じゃあ、何をしたんだ?」
「……キス」
「……」
「……」
二人が同時に黙った。
「キス?」
「うん……」
「それだけ?」
「……うん」
野薔薇ちゃんが真顔になる。
「……待って」
「?」
「私たち、完全に勘違いしてた?」
真希ちゃんが腕を組んだまま頷く。
「してたな」
「いや、だって!」
野薔薇ちゃんが私を指差す。
「最近のあんた、明らかに雰囲気変わってるのよ!」
「そう?」
「そうよ!」
「なんで?」
「……」