第29章 乙骨憂太とタオル
訓練を終えた頃には、辺りはすっかり夕暮れ色に染まっていた。
「はぁ……疲れたぁ」
私は伸びをしながら、隣で息を整えている憂太見る。
「憂太、汗すごいよ」
「え? あ、本当だ」
額から頬へ流れる汗を見て、私は鞄からタオルを取り出した。
「これ使っていいよ」
「え、いいの?」
「うん。風邪引いたら大変だし」
「ありがとう」
憂太は素直に受け取ると、額や首元の汗を拭った。
「助かったぁ……」
「訓練、今日かなりきつかったもんね」
「うん。五条先生、容赦ないから……」
「あとで文句言っとく?」
「ふふ、お願いしようかな」
そんな他愛もない会話をしながら、私たちは片付けをしていた。
その時だった。