第28章 おかえり乙骨憂太
高専に着いたのは、昼を少し過ぎた頃。
今日は五条さんに呼ばれて、脹相と一緒に高専へ来ていた。
「五条さん、いるかな」
「いるだろう」
「また何か仕事を頼まれるのかな」
「……あいつなら、俺たちを呼んでおいて忘れている可能性もある」
「ふふ、それはありそう」
そんな話をしながら廊下を歩いていると、前方から見覚えのある人影が歩いてきた。
「……あ」
思わず足が止まる。
向こうもこちらに気づいたようだった。
「……え?」
一瞬、驚いた顔。
それから、ぱっと表情が明るくなる。
「……もしかして」
「憂太!」
「やっぱり!」
次の瞬間、私たちは顔を見合わせて笑った。
「久しぶり!」
「久しぶり!」
声が重なる。
高専に入ってから知り合った憂太とは、付き合い自体はまだ一年ほどだった。
それでも、なぜか昔から知っているような気がする。
たぶん、私たちはどこか似ていた。
話していると妙なところで意見が合う。
それに、五条さんから頼まれごとをされることが多く、自然と話す時間も増えていったからか、いつの間にか仲良くなっていた。
「いつ帰ってきたの?」
「今日。さっき着いたばかり」
「そうだったんだ!」
「うん。五条先生のところに行こうと思って」
「そっかぁ」
久しぶりに会ったはずなのに、会話はすぐにいつも通りになった。
「元気だった?」
「元気だよ。憂太は?」
「僕も元気。ちょっと疲れてるけど」
「任務、大変だった?」
「まあまあかな。でも大丈夫」
「そっか。よかった」
「うん。そっちも元気そうでよかった」
そんな私たちのやり取りを、隣で脹相が黙って聞いていた。
しばらくして、脹相は小さく頷く。
「……なるほどな」
「ん?」
私が振り向く。
「どうしたの?」
「いや」
脹相は私と憂太を交互に見た。
「お前たちが仲がいい理由が、少し分かった」
「本当?」
「ああ。似たような雰囲気がある」
「似たような雰囲気?」
私と憂太は顔を見合わせる。
「そうかな?」
「どうだろう……」
二人で首を傾げると、脹相はますます納得したような顔をした。