第7章 異世界の朝
『ヒッヒッヒ……お前さんたち、今日は学園の掃除をしないといけないんじゃなかったっけ?』
「う~ん……むにゃ……あと5分……」
「んー……むり……あと………5日」
『そんなふうにいつまでもゴロゴロしてると永遠に起きられなくなっちまうよ』
『俺たちみたいにね!イーッヒッヒ!』
「――――ふぎゃっ?!またゴーストなんだゾ!オイオマエ、起きろ~っ!!」
誰かが笑う甲高い声と、悲鳴染みた叫び声が聞こえてくる。
ゆさゆさと肩のあたりを揺さぶられる振動よりも、眠気の方が重たくて……。
その心地の良い重みに、まったりと身を委ねることにして、浮上しかけた意識を緩やかに沈めていく。
のんびりと微睡んだまま寝返りを打つと同時にふわりと埃っぽい空気が肌に纏わりついて、マットレスが盛大に軋む音が耳を打った。
あらー、そんなに傷んでたかしらー……?
疑問符を浮かべた頭の奥の方で、薄ぼんやりと自室のベッドを思い浮かべようとした矢先、抱え込んでいた枕が突如として乱暴に取っ払われる。
仕方ないので、やけにザラザラした手触りの薄い掛け布団を手繰り寄せて身体を丸めると「ふな゛ぁぁ!この寝坊助ー!いい加減に起きるんだゾ~~!」という、元気なモーニングコールが耳元に炸裂する。
容赦ない声のボリュームだったから、これには流石に薄目を開けた。
もう、まだ三日も経ってないのに誰が起こしてるのー……。
薄っすらとしか開けないボヤけた視界の中で、白んだ陽光がキラキラと埃を照らしている。
あらー……綺麗ねー……。
いつでも二度寝が出来るように、ぼうっとその光景を眺めていれば――直後、ゴウという音が聞こえてきた。
次いで、背中に容赦のない熱さが巡る。