第12章 すれ違う意図のち・・・てんしの微笑み
「健太・・・風見落としたんだって?」
「ああ・・チョロかったぜ。好きだ、って言っただけでさ。あいつモテないじゃん?キスまであっという間」
「さすが、目の付け所がエグいねぇ」
「これで俺、2点で、一歩リードじゃね?」
「いやいや、俺だって、今、佐伯を頑張って攻略中だし。すぐ追いつくよ」
「佐伯〜?あのメガネかよ?ちょっとは選べよ、おめーも大概エグいね」
「美貌は点数に入ってないだろ」
「そりゃそうだけどさ」
はははは・・・・
数人の男子の笑い声が聞こえる。このあとの言葉は全く入ってこなかった。十分だった。
あいつらは女を何人落とせるか、で、競争していたんだ。
それも、モテなさそう、あまりパッとしていない、そんな女子ばかり狙って・・・
外道・・・。
そんな言葉が浮かんだ。同じ年の男の子が汚らしく、気持ち悪く感じ始めたのは、ここからだったと思う。
それはあっという間に男全体に広がった。自分がどんなに努力しても、彼奴等は私を平気で傷つける、苦しめる、奪っていく。
だったら、そんな奴ら、こっちから願い下げだ。
こうして私は『男』から目をそらすことになった。しかし当然、恋愛欲求・・・もっと言えば性欲は、私の中にくすぶり続けていた。
最初、行き場のない私の想いは、二次元に向いた。アイドルを追いかけたり、乙女ゲームにはまったり。だが、今思えば不完全燃焼だったのだろう。
そんな私に、大学1年生のとき、大きな転機が訪れた。
大学はたまたま入れた教育学部にいた。特に目的もなかったが、手に職をと思い、教員免許の取得を考えていたのだ。章らに役立つと思い、放課後クラブの指導員のアルバイトもしていた。そこでの体験が、のちの私の人生を大きく変えたのだ。
「風見先生!」
小さな男の子が私にまとわりついてくる。曇りのない目、無邪気な言葉、そして、心底から私のことを好きだと感じられる純粋な好意。
抱きしめると干したての布団のようないい匂いがした。ほっぺたも柔らかで、すべすべだった。もちろん生意気を言う子もいたが、それも大概可愛いものだった。
すぐに、私は小学生の男の子の虜になり、その気持が性欲を伴うのにはさほど時間がかからなかった。