第18章 色づく想い♪のち・・・びやくのうたげ
愛里沙がぴょんとはねて喜ぶ。落ち着け、まだだ、これはグラスを選ぶ順番を決めただけ。愛里沙がどっちを選ぶか・・・だ。
愛里沙が気合を込めた目で、じーっと2つのグラスを見る。
そして、おもむろに右を選ぶ。
「じゃあ、残ったこっちは秋良くんね」
はい、と笑顔で渡してくる。
「じゃあ、せーので・・・」
飲むんだよ、と言おうとしたのだと思うが、愛里沙がぐいっと一気に飲み干す。
あ・・・愛里沙?
・・・
・・・
・・・
「別になんともない」
ほっとした。
え?ということは・・・。
「じゃあ、そっちが媚薬入りね?」
にまりにまりと風見先生が笑う。僕はグラスを持つ手が震えた。
「ああ!どうしようかしら・・・。秋良くんが、私を襲ってきちゃったら!!」
キュッと自分の体を抱きしめるように風見先生が悶えて見せる。
いや、それ、ないから。
分かってんでしょ?あんた!?
「いやーん・・・ドキドキしちゃう!」
いや、ドキドキするけど・・・別の意味で。
えーい・・・ままよ!
ぐいっと・・・
行こうとしたところを横から愛里沙がグラスを奪ってきた。
そのまま・・・
「えええええ!」
こくこくこくこくこく
ぷはー・・・。
愛里沙が、全部、飲み干してしまった。
「あ・・・りさ?」
声を掛ける。愛里沙は飲んだグラスをそっと机に置く。立ったまま、何も言わない。
だい・・・じょうぶ・・・なのかな?
そう思いかけたとき。
「はれ?」
ふらーりと愛里沙がよろけた。顔が、くわっと鼻の頭から頬にかけて赤くなってる。目が虚ろで、さらに言えば、うるうるしている。
トロトロンとした目でこっちを見てきた。
なんだか潤んだ目・・・かわいい・・・とか言っている場合じゃない。
愛里沙が媚薬を飲んでしまった!!!
「わらし・・・わらしは・・・」
彼女はふらふらと歩き出す。僕の方に・・・?
「秋良ああ・・・えっちするろおお!!」
そのままぐいっと僕を抱きしめてキスをしてきた。
う・・・嘘でしょ!?
その光景を見て、スパークリングワインを傾けながら、にまにまと風見先生が笑っていた。
魔性の・・・笑みだった。