第8章 お見合い
お家プロポーズの日から少し経ち、零くんの家で二人、まったりしているとスマホに着信が。
「えぇ、お父さんから……なんだろ。」
何だか嫌な予感がして、出ずにスマホを見つめていると、零くんが
「急ぎかも知れないから出た方がいいんじゃないか?僕のことは気にせず。」
というので渋々出てみる。
『やっと出たか。相変わらずのんびりしてるな。』
「ちょっと一言余計だよー!なに?」
『来週の日曜日、空けておいてくれ。取引先のご家族と食事会があるんだ。』
「えぇ!やだよ。誰?私の知らない人でしょ?」
『知ってる人だから大丈夫。時間と場所は母さんが連絡するからよろしく。』
強制的に電話が切られた。
「もう…!ほんと勝手なんだから!!」
と小言を言いながらスマホをポイっとソファにおくと、話が聞こえていたのであろう零くんが
「のお父さん、上場企業の役員だったよな?」
「そー…って、私言ってたっけ?」
「いや。調べたから。」
「あ。そっか。そうだったね。自由人で困った父だよ。」
「ははっ。でも立派だよ。それで、家族ぐるみの知り合いなのか?」
「名前も教えてくれなかったから誰かわかんない。」
そんな話をしていると、またスマホが鳴った。今度は姉からメッセージだ。
『ごめん!前、結婚の予定もないってきいたから、このあいだ実家に行ったときに “の結婚はまだじゃないかな~” って言ったら、お父さんがお見合いさせようって言い出して…。
そのときは、それも一つの出会いになるかなって思ったんだけど、さっき拓翔が、“は王子様と住んでて結婚するよ”って言うから!!同棲してたの?どこの王子なの!?どういうこと!?それよりどうしよう!ほんとごめんね!』