第5章 七年分の大切 ※
* *
「ん……零くん、くるし…」
「……! すまない!」
力いっぱい抱きしめていた腕の力を緩めた。
「ふふっ。肺が潰れそう」
零くんが慌てるから、少しふざけて言ってみる。
「あぁ、圧死させそうで怖いよ。」
ん?なんて?私のこと圧でころすつもり?怪力すぎでしょ。
零くんは冗談を言っている顔でもなく、至って真剣に、申し訳なさそうな顔をしているけれど。
「ふふっ。なんでよ」
わからなすぎて、クスクスと笑ってしまった。
「……、平気か?」
「ん?うん、大丈夫だよ」
「じゃあ次はうしろから。好きだろ?」
「へ……? え!?そう意味の平気!?」
「そうだけど?」
「ちょ、ちょっと待って!終わったばっかりで体力がっ!今の会話の流れ、違う意味と思って返事したっ!!」
わざとだな!?わざと意味を分かりにくくして聞いてきたな!?ほんとずるい!!!
「僕が動くから大丈夫。じっとしてていい。」
「違うっ!動いてなくても体力いるっ!」
「うしろ向いて。」
犯罪者の取り押さえ?ってくらいスムーズに制圧され、強制的にうしろを向かせられる。
「わっ!ちょ、待ってっ!」
「待たない。」
「えっ!なんで!?」
「何を待てばいいか分からないから。」
「……こ、心の準備!!」
「何秒?」
「秒!?」
「今さら心の準備ってなんだよ。」
「…………なんだろう?」
「おい。もういい。入れるぞ。」
「ちょ…!んんっん!あっ…うぅ……」