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ずっと前から (降谷零/R18)

第12章 それで十分 ※


少し気まずいまま夜を過ごし、
次の日の朝、毎日いろんな時間に通勤する必要があるため、いつもより早めに家を出ようとタクシーをよんだ。

零は早朝から出かけたから、きっと本職の仕事だろう。

あんなに忙しく働いて、体を張って頑張ってるのに、私ぜんぜん彼を大切にできていない。……ような気がする。

タクシーに乗り会社のビル前で降ろしてもらった。
まだ人が少ない時間でよかった。
危険とはいえ、行き帰りにタクシーを使っていると職場の人たちにバレたくない。
帰りはみんなが帰ったあとの遅めの時間に出ようと思った。

なのに、ノー残業デーだった!
定時には会社を出ないといけない。
タクシーで帰るところは見られたくない。
まわりをウロウロするわけにもいかないし、ビル1階のカフェで少し時間を潰す。



―――…淳くんは、もうとっくに私の会社のビルを特定していたんだと思う。
そして、昨日の相談を断り、盗聴器や発信機も見つかってしまったため、もうバレてる前提なんだろう。

カフェに入ってきた淳くんは、きょろきょろと店内で人を探し、私と目が合うとまるで待ち合わせでもしていたかのようにこちらに近付いた。

このパターンは、想定できてなかったな。

ビル前で出てくるの見張ってたな?
これが強行手段?

まだ、“え?ぐうぜーん!”のノリでいくか、
もう分かってる前提で“私に何の用?”でいくか……

「やぁ。さん。」

そう挨拶して、当たり前のように同じテーブルについた。
だよねぇー…

「うん。淳くん。」

もう無で対応することにした。
ごめん零。これはどうしようもない。

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