第12章 それで十分 ※
「、指輪を見に行かないか?」
「くぅっ……!もちろん喜んでっ!!」
「……もういい加減慣れろ。」
零からの急なお誘いを受け、婚約指輪を見にジュエリーショップへ出かけた。
店員さんの説明をふんふんと聞きながら、並べられた指輪を見る。
指輪自体は何でもよかったけれど、零と指輪を選ぶイベントがおいしいシチュエーションすぎてテンションが上がる。
だいぶ変態だな私。
色々と見ているうちに、婚約指輪という響きは嬉しいのに、どこにつけていくわけでもない普段使いしないものだから、こんなに高いものを買ってもらうことに申し訳なさが出てきてしまった。
「んー…どれを選んでいいのか分からないから、透さんが決めて?」
と、委ねてみたけれど
「こればっかりはさんが選んでください。」
と断られてしまい、撃沈する。
店員さんから、結婚指輪と重ね付けしやすいデザインを選ぶ人もいるというナイスなアドバイスを得て、シンプルなデザインを選ぼうとしたら、透さんから
「それはちょっと婚約指輪らしくないかな?」
とダメだしされた。
"あれれぇ~おっかしいぞ~?私が選んでいいって言ってなかったっけ~?"
と突っ込みたくなったけれど、
どうやら婚約指輪っぽいものがいいらしいので、
けっきょく零がくれたプロポーズリングとよく似たデザインのものを選んだ。
これなら零が選んでくれたものという気持ちになれて喜びが倍増する。
結婚指輪の予約も勧められたけれど、まだいつになるかも決まっていなかったので、それはまた今度とお断りしておいた。