【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第11章 ヒーローの、甘え方。
【 01 】
「……、ちょっとだけ……こうしてていい?」
静まり返った夜のリビング。薄暗い部屋の床で、私の膝に頭を乗せた出久が、上目遣いで私を見上げてくる。
プロヒーローとしてのハードな任務を終え、二人きりになった部屋。雄英高校の同級生としてずっと隣にいた彼は、疲れ果てるとこうして子供みたいに甘えてくる。
「今日もお疲れ様。大変だった?」
彼のふわふわした緑色の髪をゆっくり撫でてあげると、出久は気持ちよさそうに目を細め、「……うん」と息を吐いた。
普段、街を守る「頼れるデク」の顔はどこにもない。私だけにしか見せない、無防備で愛くるしい顔。
「すごく大変だった……。でもね、の顔見たら、全部吹き飛んじゃった」
出久は膝の上でくるりと向きを変えると、私の腰にギュッと両腕を回し、お腹に顔を埋めてきた。
プロヒーローとして鍛え上げられた大きな背中と手足。甘えているのに、抱きすくめる力は力強くて、男の人なんだとドキッとさせられる。
「出久……っ、ちょっとくすぐったい……」
「動かないで……お願い。もう少しだけ、の充電が必要なんだ」
お腹のあたりから響く、少しこもった甘い声。服越しにも彼の高い体温がしっかりと伝わってきて、胸がトクトクと跳ね上がる。
出久はゆっくりと顔を上げると、逃げ場のないほど至近距離で私の目を見つめてきた。照れたように頬を少し赤く染めながら、でも真っ直ぐな瞳。
「ねえ、……」
彼の手が私の頬に優しく触れ、指先が耳裏をなぞる。そのまま引き寄せられるように、彼の熱い吐息が唇にかかるほどの距離まで顔が近づいて、息が止まりそうになる。
「……僕ね、世界で一番、のことが好きだよ」
ふっと柔らかく目を細めて微笑む彼の顔があまりにも可愛くて、そしてあまりにも格好良くて。
たった一言の告白に、胸が壊れそうなほどキュンと鳴った。