第76章 余韻に浸る
静かな部屋。
窓の外から聞こえる夜の音。
繋いだ手の温度。
それだけで十分だった。
けれどふと、私は思い出す。
「……あ」
「どうした?」
「私、お見合いするつもりだったんだよね」
「……そうだな」
「それで来たのが脹相だった」
「ああ。お前と話せそうになかったから、俺が五条に〇〇と話せる場を頼んだ。」
「五条さん、最初から知ってたのかな」
「そうだな」
「……何で何も言ってくれなかったんだろう。」
「俺たちの問題だから言わないでくれてたんだろう。お前のために。」
「そっ…か?」
二人で笑う。
そして少ししてから、私は脹相を見る。