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①呪術廻戦〜脹相〜

第74章 五条のイチオシの人と



「危ない」

「……ごめん」

「謝るな」

「でも……」

「お前、こんな状態で来たのか」

脹相の声が低くなる。

怒っている。

いや、怒っているというより心配している。

「……もう、すれ違いたくない」

脹相が呟いた。

「え?」

私は顔を上げる。

脹相が、まっすぐ私を見ていた。

「こんな時に言いたくはない」

「……」

「本当なら、もっと別の場所で、別の形で伝えたかった」

脹相の腕に力がこもる。

「だが、もう無理だ」

「脹相……?」

「俺が告白しないせいで、お前が俺から離れていった」

胸が痛む。

「俺が何も言わなかったから、お前は自分が邪魔だと思った」

「……」

「違う」

脹相ははっきりと言う。

「全部、逆だ」

「……じゃあ」

「俺が五条に頼んだ」

「え?」

私は目を見開く。

「このお見合いを取り付けてもらったのは、俺だ」

「……脹相が?」

「ああ」

脹相は頷いた。

「お前が他の誰かと会うためではない」

「……」

「俺が、お前とちゃんと話すためだ」

私は何も言えなかった。

「好きな人がいると言った」

「……うん」

「最近、その人とどうなのかと聞かれた」

「うん……」

「結構いい感じだと答えた」

私は俯く。

「……だから」

「違う」

脹相の声が重なる。

「俺が好きなのは、お前だ」

息が止まった。

「ずっと、お前だった」

「……」

「昨日も」

「……」

「今日も」

脹相は私を見る。

「これからも」

「……どうして」

やっと出た声は、震えていた。

「どうして……もっと早く言ってくれなかったの?」

「……怖かった」

脹相が答える。

「お前との今の関係を壊すのが」

「……」

「だが、気づいた」

脹相は静かに続けた。

「告白しないことでも、俺たちの関係は壊れる」

その言葉に。

私は何も言えなくなる。

「だから、もう逃げない。」

「俺は〇〇が好きだ。」

脹相の手が、そっと私の頬に触れる。

「お前が俺を好きだと言ったことも、覚えていないなら、それでいい」

「……」

「酔っていたときの言葉を理由にするつもりはない」

「……」

「だから今」

脹相は私の目を見る。

「起きているお前に聞きたい」

「……なに?」

「俺を、好きか?」
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