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①呪術廻戦〜脹相〜

第71章 誕生日パーティー



玄関へ向かおうとすると、〇〇は脹相の腕を離さない。

「手を離してくれ」

「やだ」

「靴を履けない」

「じゃあ、履かせて」

「……」

脹相はしばらく私を見る。

「分かった」

しゃがみ込んで、私の靴を履かせる。

片方。

もう片方。

「立てるか?」

「うん」

立ち上がると、また脹相の腕に抱きつく。

「……おい」

「なに?」

「歩くんだろう」

「歩くよ」

「なら行くぞ」

「うん」

一歩。

二歩。

三歩。

「……疲れた」

「まだ玄関から三歩だ」

「じゃあ休憩」

「ここでか?」

「うん」

脹相は深く息を吐いた。

「……分かった」

結局、少し休むことになった。

「脹相」

「なんだ?」

「怒ってる?」

「怒っていない」

「ほんと?」

「ああ」

「よかった」

そう言って、私がまた肩に頭を乗せる。

「……脹相」

「なんだ」

「今日、いっぱいありがとう」

「……ああ」

「嬉しかった」

「そうか」

「すごく嬉しかった」

脹相の手が、一瞬止まる。

「……それならよかった」

「だからね」

彼女が顔を上げる。

「脹相のこと、もっと好きになった」

「…………」

脹相は固まった。

けれど、彼女はそんなことを言った本人とは思えないほど無邪気に笑っている。

「……お前」

「ん?」

「今の言葉は……」

「なに?」

「いや」

脹相は口を閉じた。

今は聞くべきではない。

今の言葉を、そのまま自分への告白だと受け取るのは違う。

五条の言っていたことを考えれば、なおさらだ。

だから。

「……帰るぞ」

「うん」

今度は素直に立ち上がった。

しかし、歩き始めて数歩。

私はまた脹相の腕を引っ張った。

「待って」

「どうした?」

「……手」

「手?」

「繋いで」

脹相は黙った。

「……分かった」

手を握る。

ぎゅっ。

すると彼女は満足そうに笑った。

「これなら歩ける」

「そうか」

「離さないでね」

「ああ」

脹相は、その手を少しだけ強く握った。

そしてようやく、会場を出た。
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