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①呪術廻戦〜脹相〜

第70章 誕生日のその後


「それでも、あいつは俺の好意だとは思わなかった」

「なるほどね」

「だから、もっと分かりやすくしなければならない」

「……もっと?」

「ああ」

脹相は真剣だった。

「俺がどれだけ大切に思っているのか、あいつ自身が分かるくらいに」

「それで、それでも伝わらなかったら?」

「そのときは告白する」

「告白が最後の手段なんだ」

「ああ」

迷いのない返事だった。

「俺は、あいつに『好きだ』と言うだけで終わらせたくない」

五条が少し黙る。

「……なるほど?」

「好きだと言うなら、その言葉に相応しいものを先に見せたい」

脹相は自分の手を見る。

「俺が何を言っても、あいつが『そんなわけない』と思うなら、まずそれを変えなければならない」

「……そっか」

五条は小さく笑った。

「脹相って、意外と頑固だね」

「そうか?」

「うん。かなり」

それから五条は、少しだけ優しい声で言った。

「でもさ。誠意って、相手に伝わるまで頑張り続けることだけじゃないと思うよ」

「……?」

「君が大切に思ってることを、ちゃんと相手に伝えることも誠意だから」

脹相は黙って考える。

「……それは、分かっている」

「じゃあ、いつかは言うんだ?」

「ああ」

「いつ?」

「……俺が、もう十分だと思えたときだ」

「君基準なんだ」

「……」

五条は苦笑する。

けれど、脹相の横顔は真剣だった。

「それまでは?」

「……もっと頑張る」

「そっか」

五条はそれ以上、何も言わなかった。

ただ少しだけ笑って。

「頑張ってね」

とだけ告げた。
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