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①呪術廻戦〜脹相〜

第70章 誕生日のその後


「五条」

「ん?」

「……あいつは、何と言っていた?」

「ん?」

「昨日のことだ」

五条さんは少しだけ意地悪そうに笑って、

「『すごく嬉しかった』って」

それだけ言った。
脹相はしばらく黙っていたが

「……そうか」

と小さく呟いて自分の首元に触れる。
そこには昨日、私とお揃いで買ったネックレスがある。

「……なら、よかった」

その顔は、いつもより少しだけ嬉しそうだった。

「……で?」

五条が脹相の隣を歩きながら、何気なく尋ねる。

「昨日、告白はしなかったの?」

「……」

脹相は黙った。

「するつもりだったんでしょ?」

「ああ」

「じゃあ、なんで?」

少しの沈黙。

「……俺が好いていることが、あいつには伝わっていなかった」

「うん」

「だから、告うのをやめた」

五条が少し意外そうな顔をする。

「怖くなったとか?」

「違う」

脹相はきっぱりと否定した。

「俺がいくら言葉にしても、誠意を見せなければ伝わらないと思った」

「……誠意?」

「ああ」

脹相は少し考えてから、静かに続ける。

「好きだと言葉にするだけではだめだ」

「……」

五条は黙って聞いている。

「俺があいつをどれだけ大切に思っているのか」

「……」

「これからもそばにいたいと思っていることも」

「……」

「守りたいと思っていることも」

脹相は、まっすぐ前を見る。

「それを言葉だけで伝えたところで、あいつが信じられなければ意味がない」

五条は少しだけ目を細めた。

「だから、先に行動で見せる?」

「ああ」

「でも昨日も十分やったんじゃない?」

「……足りなかった」

「そう?」

「本人は、俺がただ優しくしていると思っている」

脹相は眉を寄せる。

「上着を貸しても、そばにいても、抱きしめても……」

「抱きしめたんだ」

「……抱き枕としてだ」

「はいはい」

五条は笑いを堪えるように口元を押さえる。
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