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①呪術廻戦〜脹相〜

第69章 誕生日


脹相の部屋に入ると、脹相が横になる。

「……ここに来い」

腕を広げられると、本当にいいのか、と少しだけ恥ずかしい。

でも、今日は誕生日。
それに、脹相がそうしてくれるなら。
私はその腕の中に身体を収めた。

「……どうだ?」

「うん。あったかい」

「そうか」

「なんか、安心する」

その言葉を聞いた瞬間、
脹相の腕が、ほんの少しだけ強くなった。

「……それなら、よかった」

私は目を閉じる。

「おやすみ、脹相」

「ああ。おやすみ」

静かになった部屋の中で、私は考えた。
もし、私が付き合って欲しいと口に出したのなら、
脹相はそれを叶えてくれるだろうか。

困らせてしまうだろうか、そんなことを考えているうちに
私はすぐに眠りに落ちていった。

けれど脹相は、しばらく眠れなかった。
腕の中にいる私を見下ろす。
今日一日、私が何気なく口にしていた願いを、一つずつ叶えてきた。

「……」

脹相は小さく息を吐いた。

全部、覚えていた。
全部、叶えたかった。
そして最後の一つだけは

「……俺がなっても、いいと思った」

眠っている私の髪を、そっと撫でる。

「……誕生日おめでとう」

小さく呟くと、脹相は私を抱く腕に、ほんの少しだけ力を込めた。

今日だけではない。

来年も、その先も彼女が何気なく口にした願いを、覚えていたい。

できることなら、これからもずっと、隣で叶えてやりたい。

そんなことを考えながら脹相はようやく、静かに目を閉じた。
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