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①呪術廻戦〜脹相〜

第69章 誕生日


その日の夜は、行きたかった店で夕食を食べた。
帰り道には、ずっと食べたいと言っていたシュークリームまで買ってくれた。

家に着いてから、

「今日はさすがに疲れたね」

と言うと、

「風呂を沸かしてある」

「え?」

浴室を覗くと、湯船いっぱいに泡が浮かんでいる。

「……泡風呂」

「したいと言っていただろう」

「……本当に全部覚えてるんだ」

「だから言っただろう」

脹相は少しだけ得意そうだった。

風呂から上がると、今度はドライヤーを持った脹相が待っていた。

「座れ」

「自分でできるよ?」

「今日は俺がやる」

「……でも」

「お前の願いを叶える日だ」

「……そっか」

温かい風が髪を撫でる。

その合間に、脹相の指が髪を梳く。

なんだか心地よくて、目を閉じた。

「……眠いか?」

「うん」

「なら、寝てもいい」

「……脹相」

「なんだ?」

「今日はありがとう」

少し間があって。

「……俺の方こそ」

「え?」

「お前の誕生日を祝えて、嬉しい」

髪を乾かし終えると、脹相はドライヤーを置いた。

そして、しばらく何かを考えている。

「……なあ」

「ん?」

「前に、抱き枕が欲しいと言っていただろう」

「……言ったね」

「使ってみないか?」

「え?」

「俺を」

「…………」

「抱き枕として」

思わず笑ってしまった。

「脹相が?」

「ああ」

「なんで?」

脹相は少し黙る。

そして、いつもの真面目な顔で答えた。

「お前が欲しいと言っていたからだ」

「……ふふ」

「何がおかしい?」

「だって、脹相が抱き枕になるの?」

「問題ない」

「寝にくくない?」

「問題ない」

「暑いよ?」

「構わない」

「……本当に?」

「ああ」

どうしてそこまで真剣なのか分からない。

けれど。

「じゃあ……お願いしようかな」

そう言うと、脹相はほんの少しだけ目を見開いた。

「……ああ」
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