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①呪術廻戦〜脹相〜

第68章 告白しよう


翌日。

「……〇〇」

「ん?」

「寒いのか?」

「ちょっとだけ」

すると脹相は、自分の上着を脱いで私の肩にかけた。

「これを着ろ」

「ありがとう」

「……ああ」

何も疑わずに笑う〇〇を見て脹相は少しだけ期待した。

――どうだ。

伝わったか?

「脹相って優しいね」

「……」

違う。
そういう意味ではない。
だが、脹相は黙って頷いた。

その日の帰り。
私がいつもより疲れていることに気づいた脹相は、隣に並ぶ。

「今日は俺の隣にいろ」

「え?」

「疲れているだろう」

「うん……まあ」

「なら、俺の隣にいろ」

「分かった」

私は素直に隣を歩く。

脹相は満足そうに頷いた。

――これで少しは。

そう思ったのも束の間。

「なんか今日、脹相いつもより優しくない?」

「……そうか?」

「うん」

「……お前が好きだからだ」

「え?」

「……いや」

脹相は少し間を置いて、

「お前が疲れているからだ」

と言い直した。

「そっか」

彼女が納得すると脹相は遠くを見る。

――伝わらない。

それからも、脹相の行動は少しずつ変わっていった。
彼女の隣にいることが増えた。
自然に手を差し出すようになった。
彼女が誰かと話していると、いつの間にか近くにいる。

二人でいる時間を作ろうとする。
彼女が笑えば、脹相も嬉しそうにする。
彼女が落ち込めば、誰より先に気づく。

ある日なんて、私が別の男と楽しそうに話していると。

「……随分楽しそうだな」

「うん。面白い話してくれて」

「……そうか」

明らかに機嫌が悪くなる。

「脹相、怒ってる?」

「怒っていない」

「じゃあ、なんでこっち来たの?」

「……」

脹相は答えず、ただ、私のすぐ隣に立った。

「……お前の隣にいたい」

「?」

私は首を傾げる。

「どうしたの、今日」

脹相は頭を抱えたくなった。

――なぜ分からない?こんなにも伝えているのに。

そして、とうとう。

「……お前は、本当に分からないんだな」

そう小さく呟いた。
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