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①呪術廻戦〜脹相〜

第68章 告白しよう


任務から戻った帰り道。
隣を歩く脹相は、いつもより静かだった。

……いや。

いつも静かではあるのだけれど、今日は妙に何かを考え込んでいるように見える。

「脹相?」

「……なんだ」

「さっきからどうしたの?」

「いや……」

脹相は一度こちらを見て、それから前を向いた。
少しだけ迷うような沈黙。

「……お前に聞きたいことがある」

「なに?」

脹相が足を緩めそして、少し躊躇ったあと。

「お前の好きなやつは、どんなやつなんだ?」

「……え?」

思わず聞き返した。

「好きな人?」

「ああ」

「どうして急に?」

「……気になった」

それだけ言って、脹相は黙った。
なんだか妙に真剣な顔をしていたから、私は少し考えてから、答える。

「えっと……優しい人かな」

「優しい?」

「うん。普段はちょっとぶっきらぼうなんだけど、本当はすごく優しいの」

「……そうか」

「困ってる人がいたら放っておけないし、自分が大変でも誰かを助けようとするの」

脹相は何も言わずに聞いている。

「あと、家族をすごく大切にしてる」

「……」

「自分のことより、家族のことを優先するような人」

脹相の表情が、ほんの少し変わった。

「それから……不器用」

「不器用?」

「うん。自分の気持ちを言葉にするのが苦手」

「……」

「でも、言葉にしなくてもちゃんと伝わるくらい、態度に出るの」

「……そうか」

さっきよりも、声が少し低い。
私は気づかず続ける。

「私が無理してるとすぐ気づいてくれるし、寒そうにしてたら何も言わずに上着貸してくれるし」

「……」

「任務で危なくなったら絶対助けてくれる」

「……」

「あとね」

「まだあるのか?」

「あるよ」

そう言うと、脹相が少しだけ目を細めた。

「一緒にいると安心する」

その言葉に、脹相が足を止めた。

「……安心する?」

「うん」

私もつられて立ち止まる。

「なんていうか、その人の隣にいると無理しなくていい気がするんだよね」

「……」

「黙ってても気まずくないし…ずっと隣にいてほしいって思う」

脹相は、何も言わなかった。
ただ、私をじっと私を見ている。

「……あと、笑った顔が好き」

「……俺は、いや……なんでもない」

脹相は視線を逸らした。
その耳が、少し赤くなっている。
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