第67章 まだ先の話
「〇〇は実年齢としては高校三年生なんだよ」
「高校三年生……」
「でも、呪術高専に入ったのは今年」
「……」
「だから高専では一年生」
「……」
「分かった?」
脹相はしばらく黙っていた。
やがて。
「……なるほど」
「お」
「高校三年生だが」
「うん」
「高専には一年目だから一年生」
「そうそう」
「だから悠仁と同級生」
「そう」
「……」
脹相がゆっくり頷く。
「学校というものは難しいな」
「そこ!?」
五条がまた笑い出す。
「いや、これは〇〇の事情が特殊なだけだよ」
「そうなのか」
「そうそう」
脹相は納得したように頷く。
そして少し間を置いて私を見る。
「では」
「ん?」
「18歳になるのはいつだ?」
「……!」
五条がにやっとする。
「お」
「何?」
「誕生日聞いたねぇ」
「必要なことだ」
脹相は真顔。
「覚えておきたい」
「……」
私は少し照れながら。
誕生日を伝える。
「○月○日」
「○月○日……」
脹相は。
小さく繰り返す。
「覚えた」
「……」
「18歳になる日だな」
「うん」
脹相は婚姻届を見てそれから私を見る。
「……だが」
「何?」
「18歳になったからといって、結婚するわけではないのだろう?」
「もちろん!」
私が即答すると脹相はほっとしたように頷く。
「そうか」
五条が横から。
「でも、もし書くことになったら僕が保証人――」
「五条さん!」
「はいはい」
脹相はそんな二人を見て小さく笑った。
そして婚姻届を雑誌に戻す。
「……まだ先の話だな」
「うん」
そう答えながら、なぜか胸だけが少しだけ温かかった。