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①呪術廻戦〜脹相〜

第64章 文化祭で囲まれる五条と脹相


「あの……」

「なんだ?」

「〇〇ちゃんの彼氏って、本当なんですか?」

「……」

脹相の表情が変わった。

「……ああ」

答えようとした、その時、女子生徒が続ける。

「でも、あの子って可愛いけど……」

「……」

「なんか、危ないことに首突っ込んでるって噂ですよ」

脹相の眉が僅かに動いた。

「……危ないこと?」

「うん。普通の子じゃないっていうか」

「呪い?とか、そういうのに関わってるんじゃないかって」

「だから、ちょっと怖いっていうか……」

「……」

脹相は黙って聞いていた。

五条も。

珍しく口を挟まない。

脹相の顔から、さっきまでの戸惑いが消えていく。

「……お前は」

静かな声だった。

「〇〇を知っているのか?」

「え?」

「どんな人間か」

「いや、直接はそんなに……」

「なら」

脹相は相手の目を見る。

「噂だけで、あいつを判断するな」

「……」

声を荒げてはいない。

けれど。

はっきりとした拒絶だった。

「〇〇は、自分で考えている」

「……」

「自分で選び、自分で責任を取ろうとしている」

脹相の声が少しだけ強くなる。

「危ないことに首を突っ込んでいるのではない」

「……」

「守りたいものがあるから、自分でそこに立っているだけだ」

女子生徒たちは黙ってしまう。

脹相はそこで一度言葉を止めた。

そして。

少しだけ目を伏せる。

「……それに」

「?」

「俺は、あいつが何を選ぼうと」

一瞬。

言葉に詰まる。
けれど今度は迷わなかった。

「……尊重する」

その言葉に五条が少しだけ目を細めた。

「へぇ」

脹相は気づかない。

「だから」

もう一度。

女子生徒を見る。

「お前が気にする必要はない」

「……はい」

女子生徒は少し気まずそうに頷く。

けれどその場を離れる前に、

「あの……」

「なんだ?」

「本当に、〇〇ちゃんの彼氏なんですか?」

「……」

また聞かれた。
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