第63章 文化祭の呼び込み
文化祭二日目。
校内は、昨日以上の賑わいを見せていた。
「〇〇、こっちお願い!」
「はーい!」
クラスの出し物の準備をしていた私のところへ、実行委員が駆けてくる。
「人手が足りないんだ。ちょっとだけ手伝って!」
「何すればいいの?」
「これ持って、校内を歩いて宣伝してきてくれればいい」
渡されたのは、大きな看板。
そこには。
『メイドカフェ』
と書かれていた。
「……メイドカフェ?」
「そう! 呼び込みお願い!」
「あ…分かった」
私は看板を受け取る。
すると。
「あと、衣装これね」
「え?」
渡された袋を開ける。
中に入っていたのは。
メイド服。
「……これ着るの?」
「お願い!他の子も着てるから!ね?」
「うっ、……分かった」
こうして。
私は文化祭の校内をメイド服姿で看板を持って歩くことになった。
「メイドカフェ、よろしくお願いしまーす!」
恥ずかしさを押し殺しながら、仕方なく看板を掲げて歩く。
当然、目立つ。
「え、あの子可愛くない?」
「メイド服似合ってる!」
「どこのクラス?」
「メイドカフェって書いてあるけど……?」
あちこちから声が飛んでくる。
私は気にせず。
「メイドカフェです!よかったら来てくださーい!」
と宣伝を続ける。
その少し先、廊下の壁際に。
脹相がいた。
「……」
そして。
その隣には五条。
「いやぁ」
五条が楽しそうに笑う。
「今日の〇〇、すごいね」
脹相は何も答えない。
ただこちらを見ている。