第59章 花火大会
「あと、褒めてくれる」
「褒めてくれるんだ」
「うん。頑張った時とか、ちゃんと見ててくれて。『よくやった』って言ってくれるの」
「それは嬉しいな」
「うん」
少し照れながら続ける。
「励ましてもくれる」
「どんなふうに?」
「私が自信なくしてる時に、『お前なら大丈夫だ』って言ってくれる」
「……」
「その言葉だけで、本当に頑張れるんだよね」
「……かなり好きじゃん」
「うん」
また即答する。
「すごく好き」
そして、少しだけ声を柔らかくする。
「……そばにいてくれるところも好き」
「そばにいるところ?」
「うん」
「それだけ?」
「それが一番好きかもしれない」
私は小さく笑った。
「何か特別なことをしてくれなくても、そばにいてくれると安心するの」
「……」
「話さなくてもいいし、一緒に何かしなくてもいい。ただ近くにいてくれるだけで、大丈夫って思える」
男子はしばらく私を見ていた。