第59章 花火大会
その日の帰り。
高専へ戻ると、私は脹相を見つけた。
「脹相」
「ああ」
「今度、花火大会に行くことになった」
「花火大会?」
「うん。クラスの友達と」
「……男もいるのか?」
「いるよ。みんなクラスメイトだから」
「そうか」
脹相はそれ以上何も言わなかった。
私は続ける。
「でも、花火が始まる前には帰ってくるつもり」
「なぜだ?」
「人混みが苦手だから」
「……そうか」
脹相は頷いた。
「じゃあ、帰ってきたら一緒にご飯食べようよ」
「ああ」
それだけの会話だった。
その時は。