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①呪術廻戦〜脹相〜

第59章 花火大会



数日前の放課後。

「ねえ、今度の花火大会行かない?」

友達にそう誘われて、私は顔を上げた。

「花火大会?」

「うん。駅前のやつ。屋台もいっぱい出るんだって」

「行きたい!」

女子の一人がすぐに声を上げる。

「じゃあ行こうよ。女三人、男三人くらいで」

「いいね」

「〇〇も来る?」

「うん。いいよ」

私は何気なく頷いた。

お祭りは好きだ。

みんなで屋台を見て回るのも楽しそうだし、花火大会の雰囲気も嫌いじゃない。

けれど。

ふと、頭に浮かんだのは脹相だった。

――花火。

脹相と一緒に見たら、どんな感じなんだろう。

そんなことを考えて、私は少しだけ笑った。

「でも私、花火が始まる前には帰るね」

「え、なんで?」

「人混み苦手だから」

「もったいなくない?」

「いいの。お祭り楽しめれば」

「じゃあ、花火は見ないんだ?」

「うん」

そう答えた。

友達には、それ以上言わなかった。

本当は。

混むから、だけじゃない。

花火を誰と見るか。

それを考えた時、私の中ではもう答えが決まっていた。

――脹相と見たい。

だから、花火が始まる前に帰る。

それが私の中では、ごく自然なことだった。
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