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①呪術廻戦〜脹相〜

第57章 初めては大体五条さん



「……〇〇」

脹相が、驚いたように私を見る。

「……何?」

「いや……」

脹相は、少しだけ目を伏せた。

「……なんでもない」

けれど。

握った手は、離さなかった。

その温度が。

少しだけ嬉しかった。

――そのとき。

「……ねえ」

前を歩いていた五条が、振り返った。

「僕、いるんだけど?」

「……五条さん?」

「なんか僕だけ綺麗に蚊帳の外じゃない?」

「……すまない」

「いや、脹相は謝らなくていいけどさぁ」

五条は肩をすくめる。

そして。

私たちの繋がれた手を見る。

「……」

少しだけ間を置いて。

五条は、自分の手をこちらに差し出した。

「僕もでしょ?」

「……え?」

「だって今、手ぇ繋いでるじゃん」

「五条さん、それは……」

「僕だけ仲間外れはひどくない?」

「子供みたい」

「いいじゃん」

五条は笑う。

「昔は僕の手、離すの嫌がってたくせに」

「……それは子供の頃でしょ」

「そうそう」

「だから今は――」

「今も繋いでいいじゃん」

五条は、何でもないことのように言った。

「僕、〇〇の保護者なんだから」

「……まだ言う?」

「言うよ?」

「過保護」

「知ってるって」

五条は笑った。

それから。

少しだけ優しい目で私を見る。

「でもさ」

「……?」

「僕が知ってる君の『初めて』が、これからどんどん過去になっていくのも、悪くないと思うんだよね」

「五条さん…」

「だって、それだけ君が大きくなったってことでしょ?」

そう言って。

五条は、もう一度手を差し出す。

「だから、ほら」

「……」

「僕も」

私は少しだけ迷って。

それから。

脹相の手を握ったまま、もう片方の手を五条へ伸ばした。
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