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①呪術廻戦〜脹相〜

第56章 学校へのお迎え


「○○」

「ん?」

「その人、知り合い?」

「うん。まあ……」

答えようとしたところで、男子生徒が脹相を見る。

そして、少し探るような顔で尋ねた。

「彼氏?」

私は一瞬、言葉に詰まった。

胸が大きく跳ねる。

脹相も何も言わない。

ただ、私を見る。

その視線に、私は息を止めた。

――どうしよう。

否定するべきなのに。

なぜか、口が動かなかった。

脹相も黙っている。

けれど、その沈黙の中で。

ほんの少しだけ、期待してしまう自分がいた。

――もし、そうだと言ってしまえたら。

そんなことを考えて。

すぐに打ち消す。

だめ。

そんなことを望んだら。

今の関係には戻れなくなる。

すると

「……そうだ」

「え?」

私が振り向く。

脹相は男子生徒に向かって、淡々と言った。

「俺が、〇〇の彼氏だ」

「……!」

男子生徒が目を丸くする。

「マジ?」

「ああ」

脹相はそれ以上説明しない。

男子生徒は少し気まずそうに、

「じゃあ……そういうことなら」

と離れていった。

その背中を見送ってから、私はゆっくり脹相を見る。

「……今、彼氏って言った?」

「ああ」

「なんで?」

「……」

脹相は少しだけ黙った。

そして、何かを思い出すように目を伏せた。

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