• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

①呪術廻戦〜脹相〜

第54章 呪いを受けて幼児化してしまった



 五条の家に着くと、私はまだ眠そうな目を擦りながら、きょろきょろと部屋を見回していた。

「ちょっと待っててね」

 五条は私をソファに座らせると、奥の部屋へ入っていく。

 しばらくして戻ってきた五条の手には、何枚かの小さな服があった。

「ほら。これ、昔着てたやつ」

「……これ?」

 私が手に取る。

 小さなワンピース。

 見覚えがあるような、ないような。

「まだ取ってるのか」

 脹相が驚いたように尋ねる。

「もちろん。成長するたびに着られなくなっちゃうからね。捨てるのももったいないし」

 五条は楽しそうに服を広げていく。

「これも懐かしいなぁ」

「……着る」

 私がぽつりと言う。

「これ?」

「うん」

「じゃあ着替えようか」

 五条に手伝ってもらって、私と共に小さくなってしまった制服から着替える。

 少し大きめだった服が、今の身体にはちょうどいい。

「……どう?」

 小さく両手を広げて見せる。

「…………」

 脹相が固まった。

「どうしたの?」

「いや……」

 視線を逸らす脹相。

「……可愛い」

 その一言があまりに真剣で、五条が笑った。

「でしょ?」

「ああ……」

 脹相が頷く。

 すると五条が、さらに何かを探し始めた。

「あ、これもある」

 取り出されたのは、少しくたびれたぬいぐるみだった。

「……!」

 私の顔がぱっと明るくなる。

「くまさん……!」

「覚えてる?」

「うん!」

 両手を伸ばして、ぬいぐるみを受け取り、 ぎゅうっと抱きしめる。

「くまさん」

 そのまま頬をぬいぐるみに押しつける。

「……かわいい」

 脹相が小さく呟いた。

「ぬいぐるみが?」

 五条が笑う。

「いや……」

 脹相は私を見つめる。

「……どっちもだ」

「ふふっ」

 五条が楽しそうに笑う。

 私はそんな二人の会話も気にせず、ぬいぐるみを抱きしめたままソファにちょこんと座っている。
/ 331ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp