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①呪術廻戦〜脹相〜

第52章 役目の交代


いつものように、五条悟が私の頭を撫でていた。

「今日も頑張ったね~」

「ありがとう、五条さん」

ぽん、ぽん。

昔から変わらない。

私にとっては、何の違和感もないやり取りだった。

――ただ。

それを見ていた脹相は、どうにも気に入らなかった。

「……五条」

「ん?」

「それをやめろ」

五条の手が止まる。

「何を?」

「彼女の頭を撫でることだ」

「なんで?」

「……許せない」

「へえ~」

五条の顔が、途端に楽しそうになる。

「もしかして嫉妬?」

「違う」

「じゃあ何?」

「……分からん」

「分からないけど嫌なの?」

「ああ」

即答。

五条は口元を押さえて笑った。

「いやぁ、困ったなぁ」

「何がだ」

「これ、元々僕の役目なんだけど」

「……」

「小さい頃からずーっと僕が撫でてきたんだよ?」

五条は私の頭をぽん、と撫でる。

「頑張ったら撫でる」

もう一度。

「怖いことがあったら撫でる」

そして。

「泣いたら――」

「五条さん」

「ん?」

「それ、今言う必要ある?」

「あるよ」

五条はにこにこしている。

明らかに脹相を煽っている。

「なんならさ」

五条はさらに身を乗り出す。

「小さい頃は抱きしめたりもしたんだから!」

「…………」

脹相の表情が固まった。

「抱きしめた?」

「うん」

五条は嬉しそうに頷く。

「怖い夢見たときとか」

「…………」

「寂しくて泣いてるときとか」

「…………」

「まあ、結構してたよ?」

脹相の眉間の皺が深くなる。

五条は完全に面白がっていた。
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