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①呪術廻戦〜脹相〜

第46章 新しい水着を見て欲しい


「脹相、ちょっといい?」

「なんだ?」

彼女が部屋から出てくる。

「新しい水着買ったの。見てほしい」

「…………水着?」

「うん。プール行く前に、脹相にも見てもらいたくて」

そう言って、彼女が姿を見せる。

「…………」

脹相が固まった。

視線が彼女に向いたまま止まる。

けれど、すぐに目を逸らす。

「……どう?」

「…………」

「脹相?」

「……似合っている」

即答だった。

「ほんと?」

「ああ」

まだこちらをまともに見られない。

彼女は少し笑う。

「ちゃんと見てよ」

「……」

脹相は覚悟を決めたように、ゆっくり彼女を見る。

数秒。

「…………」

そして、また目を逸らす。

「……無理だ」

「えっ?」

「可愛すぎて、まともに見られない」

「……!」

彼女の顔が赤くなる。

脹相も耳まで赤くなっている。

「……すまない」

「謝らなくていいよ」

「だが……」

脹相は少し困ったように眉を下げる。

「お前が俺に見てほしくて着てくれたのなら……ちゃんと見たい」

今度は目を逸らさない。

じっと彼女を見る。

「……よく似合っている」

「……ありがとう」

「とても可愛い」

「……っ」

「それに……」

少しだけ間を置いて。

「他の人間に見せるのが惜しいと思ってしまう」

「脹相……」

「……だが、お前が楽しみにしているなら、プールを楽しんでこい」

そう言って、彼女の頭を優しく撫でる。

「帰ってきたら、また話を聞かせてくれ」

「うん!」

彼女が嬉しそうに笑う。

その瞬間、脹相は目を細める。

「……やはり」

「?」

「その笑顔が一番可愛い」

「もう……!」

彼女は照れて顔を隠す。

脹相も少しだけ笑った。

――そして彼女が部屋へ戻ったあと。

「…………」

一人になった脹相は、しばらく動かなかった。

「……可愛かった」

小さく呟く。

「……本当に」

そして両手で顔を覆う。

「……俺は、あれを平然と見られるようになるのか……?」

たぶん、無理だった。
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