第40章 散々なお見合い
「……相手は」
「え?」
「どんな男だった」
「……」
「答えたくないならいい」
そう言いながらも。
脹相の目は明らかに不安そうだった。
私は観念して話し始める。
「……普通の人だったよ」
「そうか」
「でもね」
「……?」
「全然合わなかった」
脹相が少しだけ顔を上げる。
「最初から、私の話をあんまり聞いてくれなくて」
「……」
「趣味の話をしたら『結婚したらそんなことしてる暇ないでしょ』って言われて」
脹相の眉が寄る。
「それから『家事は女性がするもの』って」
「……」
「あと、私の仕事についても、結婚したら辞めればいいんじゃないかって」
「……それは」
脹相の声が低くなる。
「酷いな」
「でしょ?」
少し笑ってしまう。
「だから、途中からもう帰りたくて仕方なかった」
「……」
「食事も全然楽しめなかったし」
「……」
「最後に『また会いましょう』って言われたけど」
私は首を横に振る。
「絶対嫌」
「……そうか」
脹相は明らかに安堵した。
それに気づいて、少し不思議に思う。
「……脹相?」
「なんだ」
「もしかして……心配してた?」
「……ああ」
即答だった。
「かなり」
「……」
「お前が誰かと会っていると思ったら、落ち着かなかった」
脹相は拳を握る。
「迎えに来るべきか、何度も迷った」
「でも来てくれたんだ」
「ああ」
「……ありがとう」
私が笑うと
脹相はその顔を見て、ようやく少しだけ表情を緩めた。
「……お前」
「うん?」
「なぜ隠した?」
「……」
言葉に迷う。
そして、小さく答える。