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①呪術廻戦〜脹相〜

第35章 怖い映画




布団に入る。

電気を消す。

目を閉じる。

「……」

静かだ。

静かすぎる。

時計の音が妙に大きく聞こえる。

――さっきの映画。

とにかく思い出さないようにしよう。

そう思えば思うほど、頭の中に映像が浮かぶ。

暗い廊下。

ゆっくり開く扉。

その向こうに――

「……っ」

私はは勢いよく目を開けた。

「……無理」

布団を頭まで被る。

怖くない。

大丈夫。

もう映画は終わった。

ここは自分の部屋。

何もいない。

「……」

数秒後。

カタン。

「……!」

布団の中で身体が固まる。

何か音がした。

気のせい。

きっと家のどこかが鳴っただけ。

「……」

怖い。

一人で寝られない。

でも、こんなことで誰かを起こすのも恥ずかしい。

――脹相。

頭に浮かんだのは、彼だった。

けれど。

「……」

さすがに添い寝してほしいなんて言えない。

そう思って、布団をぎゅっと握る。

しかし。

また、映画の中の恐ろしい顔が頭に浮かんだ。

「……無理……」

とうとう私は布団から出たて廊下をそっと歩いた。

そして脹相の部屋の前で立ち止まる。

「……」



コンコン。

「……誰だ?」

中から脹相の声。

「……私」

「どうした?」

扉が開く。

寝間着姿の脹相が顔を出す。

「……まだ起きてた?」

「ああ」

私の顔を見た瞬間、脹相の表情が変わる。

「……どうした」

「……」

言いづらい。

けれど、もう限界だった。

「……怖い」

「……」

「悠仁に怖い映画見せられて……」

脹相は一瞬黙った。

「……あいつは」

怒っている。

でも今は、それより先に私を見ている。

「眠れないのか?」

「うん……」

「そうか」

少し考えたあと。

「俺の部屋で寝るか?」

「……いいの?」

「ああ」

「……添い寝してくれる?」

その言葉を口にした瞬間。

脹相の動きが止まった。

「……添い寝」

「……嫌?」

「いや」

脹相はすぐに首を横に振った。

「嫌ではない」

むしろ。

胸の鼓動がうるさい。

好きな相手から添い寝を頼まれる。

断れるわけがない。

「……入れ」

「ありがとう」

私が部屋に入ると脹相は布団を整え、
私が横になるのを確認してから、自分も隣へ入った。
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