【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第4章 野生児の生態
もちろん途中の水道で手を洗ってもらうのは忘れない。
我牙丸くんは洗った手をまたズボンで拭こうとするからハンカチを貸すハメになったけど、まぁ洗った手ならまだ許せた。
今後は我牙丸くん、自分でハンカチ持ってくれないかなぁ…
無理だろうなぁ…
そんなことを思いながら教室まで行く間も我牙丸くんは私の半歩後ろをゆっくり歩いてくれていた。
だからこそわかる、帰りも注がれる我牙丸くんへの視線。
やっぱり我牙丸くんって目立つんだろうなぁ。
さっきのご飯の食べ方を見ただけでもアレだもんなぁ…
もしかしたら奇行種として注目されているのかもしれない。
私、一緒に歩いていて大丈夫かなぁ。
でっかい我牙丸くんに視線がいってモブな私は見えていないといいんだけど…
そんな時。
「ほら、ガガ、戻ってきたよ」
「わ、やっぱりそうなんだよ」
通りがかりに不意にそんな言葉が耳に入ってきた。
ん?
『ガガ』って我牙丸くんのこと?
『やっぱり』ってどういうことだろう?
廊下ではいろいろな人がいて、いろいろな声や音が聞こえる中でどうしてその言葉が耳についたのかはわからなかった。
けど、聞こえた方を振り返ることはできなかった。
それをしてしまったら私はモブではなくなってしまう気がしてできなかった。
…大丈夫。
きっと我牙丸くんの知り合いか何かなんだよ。
じゃなかったら私みたいに我牙丸くんの生態が気になって仕方のない人間か…
うん、きっとそう。
そうであってくれなきゃ…
じゃあ、なんだっていうの?
何も聞こえていないふりをして教室についた後は普通に午後の授業を受けて、下校する前にお互い普通に「またね」って挨拶して、私は普通に下校する。
我牙丸くんは普通に部活に行く。
どこもおかしいところなんてない。
ただのクラスメイトとして、何ら変なところなんてない。
はず…たぶん。