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【G@lileo】音色の方程式

第10章 『帰結る』




 演奏会当日。


 「……緊張する」


 私はフルートを持ったまま、
 舞台袖で小さく息を吐いた。


 「今さら?」


 隣にいた同じパートの部員が笑う。


 「今さらだから緊張するの」

 「意味分かんない」

 「私も分かんない」


 客席から、人の話し声が聞こえる。

 家族、友人、大学関係者。

 きっと、いろんな人が来ている。


 私はそっと、
 カーテンの隙間から客席を覗いた。


 「誰か探してる?」

 「別に」

 「湯川先生?」

 「何で!?」

 「図星じゃん」

 「違うから!!」


 慌ててカーテンを閉じる。


 「だって、来るかもって言ってたんでしょ?」

 「予定が入らなければって」

 「じゃあ探してるじゃん」

 「……ちょっとだけ」

 「素直」

 「うるさい」


 もう一度だけ隙間から覗く。

 沢山のシルエットの中で、
 知った人も何人か居るのが分かった。

 でも、先生は見つけられてない。

 白衣を着てくるわけでもないし、
 この距離ではよく分からない。


 「来てなくても別にいいし」

 「はいはい」

 「本当に」


 そう言った。

 でも、少しだけ胸の奥がざわついた。






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