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【G@lileo】音色の方程式

第14章 『応答る』




 「…………」

 『どうした?』

 「いや」

 『急に黙った』

 「先生の声聞いてると」

 『ああ』

 「なんか、安心するなって」

 「…………」


 言ってから、
 自分で固まった。

 また、何を言ってるんだ。


 『…………』

 「先生?」

 『聞こえている』

 「またそれ」

 『いや』


 一度、間ができる。


 『そうか』

 「……はい」


 それだけなのに、
 電話の向こうの先生も、
 少しだけ困っているように感じた。


 「じゃあ」

 『ああ』

 「そろそろ切ります?」

 『そうだな』

 「帰り道、気をつけてください」

 『君はもう寝ろ』

 「はーい」


 切ろうとして、


 「あ」

 『何だ?』

 「先生」

 『ああ』

 「おやすみなさい」


 一瞬、
 電話の向こうが静かになる。


 『おやすみ』


 その声を最後に通話が切れた。


 「…………」


 さっきまで、
 耳元にあった声がなくなる。

 急に部屋が静かになった気がした。


 「…………」


 画面には、

 二十七分。

 そんなに話していたなんて、
 思わなかった。

 スマートフォンを胸元へ引き寄せる。

 暗くなった画面に、
 もう先生はいない。

 それなのに、


 ──おやすみ。


 最後の声だけが、まだ耳に残っていた。


 「…………」


 目を閉じる。

 静かなはずの部屋で、
 自分の鼓動だけがやけに近かった。





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